【cobird EXHIBITION 「キネマ」展示作品】
OKYAKUにて2020年7月に行われた、現代美術家 cobird / コバードの個展「キネマ」にて展示された作品になります。
美術には物理と精神の間(はざま)を捉える力が与えられていると語るcobirdは、紙に印刷されたイメージを縦横の短冊状にカッターで切り刻み、接着剤を使わず手作業で織物の組織のように、1本ずつ交互に差込み作品を制作します。縦糸と横糸を時間と空間に置き換え、主にインターネットや雑誌、書籍、動画からサンプリングしたイメージを作家自身が織りあげていくことで、現代社会における美の本質や力強さを追求している作家です。時間や空間を飛び越え、増殖し、本来の意味や意義は薄れ、不条理な状態で遭遇する素材としてのイメージは、cobirdの独自のリサーチと視点によって見つけ出され、丁寧に手を加えることにより、新たな意味が吹き込まれ、作品としての意味を成すのです。
「人間の精神の核にある要素が表現したい」と語るcobirdの制作に対する試みは、ヒップホップにおける「ビーフ」のように、他者とのコミュニケーションがあってこそ生まれる相対性の中に、普遍的な本質を見出そうとしているようにも見受けられます。
本作品はサイアノタイプという古典的なプリント技法を使用して制作されています。サイアノタイプは水溶性の薬品を塗った紙(画用紙など一般的な紙)に写し取りたい像のフィルムや印刷物を重ねます。さらに一定時間紫外線に当てることでその薬品が青く化学反応を起こす法則をもとに光を通すところと通さない箇所の差で潜像する古い写真技法です。この作品は通常使用するフィルムではなくスマートフォンの画面に直接印画紙を置き24時間ほどスマートフォン画面からの光で露光し製作されています。サブスクリプションサービスで映し出された映画を一時停止しイメージを紙に写し撮ることで質量の解りづらいデータというモノに質感、質量をほどこすことをコンセプトにした作品です。
【PROFILE】
cobird / コバード 1977年神奈川県生まれ。2000年玉川大学デザイン科卒業。卒業後、約10年アパレルメーカーなどでデザイナーとして勤務。その後、現代美術家 ”cobird / コバード”として活躍を始め現在、山梨県にてアーティストレジデンス 「SAIKONEON」の運営・管理にも携わる。
個展歴に、「氣配」AIRonomichi 光明寺會館スタジオ(広島) 2017、「時と場合」ギャラリー月極(東京) 2018、「ビーフ」s+arts(東京) 2019、「キネマ」OKYAKU(高知) 2020、「Beat Album」KAKULULU(東京) 2021。
□賞歴
2011 トーキョーワンダーウォール2011 入選
2013 GEISAI#19 審査員最終選考
2014 第50回 神奈川県美術賞 入選
2015 第10回タグボートアワード 入選
【SIZE】横 7.5cm / 縦 20cm
* こちらの作品は、ご購入から1ヶ月以内に発送となります。
** こちらの作品は 、ギャラリーOKYAKUでの併売作品につき、キャンセルさせていただくことがございます。
*** 送料は着払いとなります。